髪バナ

【髪バナ 19】乾燥の季節もツヤ髪キープ

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キリ 常夏のタイにいるとあまり気にならないけど、日本の冬ほどじゃないにしても、この時期ってやっぱり乾燥するよね。お肌のケアも保湿をしっかりしないと大変なことになっちゃう。
なぎさ “乾季”ってくらいだからね。肌もだけど、髪も普段よりパサパサになりやすいわ。
相浦 雨季の時には(特にくせ毛の方は)髪がまとまらなかったり、セットしてもすぐにぺったりなってしまうという悩みがありますが、乾季の時はまた別の悩みが出てきますよね。なぎささんのおっしゃる通り、乾季(冬)の髪は乾燥してパサパサになったり、変に広がったりしやすくなります。
キリ やっぱり、オイル系・こってり系のヘア剤を使わないとだめですか?
相浦 それもひとつの方法ですが、せっかくなので、今日は内と外から髪を保湿する方法をお話しましょう。といっても、特に改めて取り組まなければならないことはありませんよ!

(1)シャンプー


まず、シャンプーを見直してみましょう。シャンプー剤の洗浄力が強すぎると、頭皮や髪を守る脂分を取りすぎてしまい、キューティクルから髪の栄養分が落ちやすくなったり、頭皮のかゆみやフケの原因になってしまいます。タイのシャンプーは洗浄力が強いものが多いので、優しく洗い上げるタイプのものを選んでみましょう。

(2)トリートメント


トリートメントは髪の栄養剤です。3日に1回くらいの割合でたっぷり栄養補給しましょう。こちらは、乾燥するからといって毎日やってもあまり意味がありません。その代わり、トリートメントをしない日は、コンディショナーでしっかり髪を守りましょう。

(3)ブローとスタイリング


濡れた髪をタオルでふく時は、髪のキューティクルを傷めないよう、優しく地肌をもむようにふいてください。タオルドライの後は、洗い流さないタイプのトリートメントを毛先を中心によくなじませ、主に頭皮を乾かすようにドライヤーをあてましょう。
スタイリングの際は、オイルやエマルジョンタイプのヘア剤を髪になじませると、しっとりサラサラでまとまりやすくなりますよ。

(4)内側からのケア


髪を乾燥から守るには、食事に気をつけることも大切です。髪の栄養となる魚や赤身の肉、卵、大豆製品など質の良いタンパク質を積極的に摂り、体の中から美しい髪を保っていきましょう。日本では、海草類が髪に良いとされていますが、タイでは「豆を沢山食べろ」と言うそうです。良質なタンパク質ですから納得ですね。
なぎさ なるほど。確かに特別なことはなにもないですね。普段のケアをもう少し丁寧にやればいいってことね。
相浦 その通りです!あと、ヘアカラーで暖色系の色を選ぶというのもおすすめです。日本でも秋冬シーズンは暖色が流行しますが、この場合流行はもちろん、髪にツヤを出してくれるという暖色カラーの特徴が乾燥しやすい髪にはとてもよいと思います。

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最後に、乾季は湿気の多いシーズンと逆で、スタイリングがきまりやすいという利点もあります。湿気に邪魔されることがないので、ブローもきれいにきまるし、アイロンで巻いたカールも長持ちします。乾燥と上手につきあいながら、理想の髪型を作りたいですね。

【髪バナ 18】スタイリング剤に関する質問まとめ

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布施 今回は番外編として、URU SALONでお客さまによく質問されるスタイリング剤のことについて触れてみようと思います。

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布施 決まりはありませんが、洗髪してタオルドライした後の濡れた髪の方がつけやすいです。このタイプのトリートメントは、少量を手にとって髪にまんべんなくのばしていくものが多いので、単純に濡れた髪の方が均一につきやすいからです。
キリ 洗い流すトリートメントと流さないトリートメントってどう違うんですか?シャンプーをした後トリートメントをして、その後さらに洗い流さないタイプのトリートメントをつけるのって意味があるんですか?
布施 シャンプー後のトリートメントは、シャンプーとの相乗効果で髪を内部からケアするものあり、流した後も髪に残るようにできています。髪の本質的なダメージに作用するものなのです。一方、洗い流さないトリートメントは髪の表面を覆うことで髪をケアするものなので、流すと、水と一緒に流れてしまいます。ただし髪の表面につくことで、髪の指通りをよくしたり、紫外線(日中)や枕との摩擦(就寝中)から髪を守ったりと、髪の物理的なダメージに作用します。両方を使うことで、髪を本質的・物理的にケアし、内外から髪のコンディションを整えることができます。

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布施 一般的に、ゆるくふわっとさせたい場合はワックスを、カールをくっきり出したい場合はムースを使います。ムースは“パーマ用”を選び、濡れてカールが出た髪になじませます。
キリ ムースってカチカチになりませんか?
布施 ムースにも種類がたくさんあるので、今っぽいナチュラルなカールにセットしたい場合は“ナチュラルタイプ”“ソフトタイプ”と書かれたものを使ってください。つけた後、自然乾燥させるとカールが一番はっきり出ますが、ドライヤーで乾かすとカールは少し弱まります。自分の好みによってカールの出し方を使い分けてみてください。ただし、デジタルパーマのカールをしっかり出すにはムースは使えません。普通のパーマは濡れた状態で一番カールが出るのに対し、デジタルパーマは乾いた時にカール出るからです。ムースはウォーターベースなので、デジタルパーマのカールを弱めてしまいます。※デジタルパーマについては、【髪バナ 05】をご覧ください!
キリ ワックスでスタイリングする場合のワックスの選び方を教えてください!
布施 ワックスは、大きく分けるとセット力でハード系とソフト系の2種類、質感でファイバー系、マット系、クリーム系の3種類に分けられます。一般的に、髪に動きをつけたい時はハード系、ロングの方や、ゆるめのカールを柔らかく出したい時はソフト系を選ぶと失敗しません。質感は、細かい繊維と油分が多めのファイバー系は、髪なじみがよく初心者には使いやすい反面、つけすぎるとベトベトして重くなるので注意が必要です。毛先が傷んで乾燥している方にはファイバー系でツヤを出すのがおすすめです。マット系(クレイ系)は、ファイバーとは真逆のワックスですね。油分が少ないので伸びが悪いです。その分、仕上がりは軽いのでふんわりとした自然な仕上がりが好きな方におすすめです。大雑把にいうと、クリームはその中間です。
ワックスは、セット力となりたい髪の質感で選ぶといいでしょう。迷ってしまう場合は、自分の髪質やクセをよく理解してくれている美容師に相談するのがおすすめですよ。

【髪バナ 17】2014年日本の流行まとめ

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なぎさ 今回はURU SALONの新しいスタイリストさんが担当してくださるということで…ちょっと緊張しています。
相浦 こちらこそ(笑)。10月よりバンコクに来ました、相浦(あいうら)といいます。まだまだ来たばかりで右も左もわからない状態ですが、どうぞ宜しくお願いします!
キリ うーん。フレッシュだね。まだタイ化していないというか…(笑)。
なぎさ つい最近まで日本の美容院にいたということで、今の日本の流行とか、タイとの違いとか、聞きたいです。
相浦 タイとの大きな違いは、やはり四季あるということですよね。四季があるとファッションも変わりますので、そのファッションに合せて髪型や髪色をシーズンごとに変えて楽しむ…というお客さまが多かったです。ちなみに2014年の春夏シーズンはシャンパンゴールドが、秋冬はパープルピンクがヘアカラーの流行色でしたよ。
なぎさ そういうヘアカラーの流行って、誰が決めるんだろう?
相浦 日本や世界の大きなファッションの流行を読み取りながら、各ヘア製品メーカーさんがシーズンごとの新色を提案してくれます。わたしたち美容師は、お客さまの着ている服などから「この方は○○系のファッションが好きなのかな」と判断し、そのスタイルに一番近い雑誌など見ながら、先程のヘア製品メーカーさんの新色などを組み合わせてお客さまに提案します。そういう色味に加え、“20代の方には明るめが人気”“30代中盤以降の方には落ち着いた暗めが人気”と、トーンの流行もありますし、ツヤっぽい色か、マットな色か…これだけでも印象ががらりと変わります。
キリ うーん、日本人女子のお洒落へのこだわりはすごいもんね…。タイにいる日本人のカラーの流行などはありますか?
相浦 まず、トーンでは明るめより暗めが好まれていますよね。これは、明るくしすぎると、強い紫外線にさらされることで髪がバサバサになってしまうからだと思います。色はアッシュ系が人気ですね。こちらは単純に、年中暑い国ということで寒色系のアッシュが好まれるんですね。
なぎさ 日本での髪型の流行はどうですか?
相浦 ゆるふわ系のパーマヘアが人気でした。顔の周りで髪をふわふわさせるようなAラインのロングは注文が多かったなぁ。あとは、女優の吉瀬美智子さんのような、レイヤーのは入った軽めのショートボブも人気でしたよ。男性の流行はツーブロック!これに尽きますね。
キリ 相浦さんに髪型のこと色々相談するの、楽しそうだね。

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相浦 あと日本では、ヘッドスパをされるお客さまが、ここ何年かで一気に増えましたね。美しい髪は頭皮から…ということで、頭皮を意識する方が多くなりました。
なぎさ 確かに。そういう意識の変化はありますね。オーガニック系の製品が増えているのもそうだけど、髪や頭皮を、足し算でなく、余計なものを入れない引き算で優しくケアする方向にいっていますよね。
最後に、URU SALONで実際に仕事をしてみて感じることはありますか?
相浦 日本に比べ、トリートメントなど、ヘアケアを求めて来られる方が多いと感じました。URU SALONがヘアケアを得意としているからというだけではなく、バンコクの日差しや水質などによって、髪の状態が思い通りにならなくて悩んでいらっしゃる方が多いんだなぁという印象です。

【髪バナ 16】オーガニックカラーのお話

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キリ 先日URU SALONでカラーをしてもらったんですけど、あれ、オーガニックカラーっておっしゃってましたよね。髪によさそうなのはわかりますが、オーガニックでどうやって髪が染まるんだろうって、ちょっと謎に思いました。
山田 日本では今、様々なヘアブランドがこのタイプのカラー剤を出していますが、一般的に“オーガニックカラー”と呼ばれているものは、“オーガニック成分が配合されたカラー剤”と考えてください。100%のオーガニックはヘナのみになります。ヘアブランド各社のオーガニックカラーを見比べてみると、それぞれ何のオーガニック成分が入っていて、どういう風に髪によいかが記されているのでおもしろいですよ。ちなみに、URU SALONで使用しているオーガニックカラーは、オーガニックオイルを使って髪を染めるというものです。ヘアカラーは通常、アルカリ度数の高い薬剤で髪のキューティクルを開いて髪の色素を抜き、そこにカラー剤を入れます。(※カラーに関するお話はバックナンバーご覧くださいね)このキューティクルを開くという作業を、オーガニックオイルで髪をいたわりながらやるという全く新しいタイプのカラー剤なんです。
なぎさ なんかすごそうですね〜。ちなみに、何のオーガニックオイルなんですか?
山田 ブルガリアンローズとシアバターです。通常、キューティクルを開くと、そこから髪の色素と栄養が一緒に逃げてしまいますが、このオイルは内外から髪を潤しながらカラーをいれるというものなんです。ただ、髪に優しい反面、髪色をすごく明るくするのには向いていません。カラーレベルで8くらいまでの髪色を美しくつややかに染めるのに適しています。

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キリ 染めたあと、指どおりサラサラになりました。しかもいい香りだった!
山田 昔と違って、ツンと鼻にくるカラー剤は日本では少なくなりましたね。ヘア製品は本当に年々進化しています。実は、私の『髪バナ』登場は今回が最後になるのですが、これからもURU SALONから、髪によい新しいヘア剤をどんどんお客さまにご紹介できればと思います。私は、10月よりURU SALONシラチャ店に移動しますので、シラチャ在住の皆さま、どうぞよろしくお願いいたします!
なぎさ さみしくなるなぁ…。今までバンコクで多くの方の髪をさわってこられたと思いますが、特に印象深かったことはありますか?
山田 髪の悩みを抱えたお客さま、思い通りの髪型に決まらないお客さまが、駆け込み寺のようにURU SALONに来店してくださったのが嬉しかったです。お客さまと接していて感じたのが、“思い込み”によって自身の髪型の選択範囲を狭めてしまっている方が意外と多いということでした。例えば、強いクセ毛が嫌で縮毛矯正を繰り返していたお客さまが、傷みきった髪で来店されたとき、「髪を傷める縮毛矯正はやめて、
ストレートパーマでやさしく髪をのばしましょう。のびきらずに少し残ったクセは、カットでうまく活かして、似合う髪型を作っていきましょう。」と提案させていただきました。その方は、“クセ毛=真っ直ぐにのばす”しかないと思い込まれていたようで、クセ毛とうまくつきあうという発想は無かったそうです。“この髪型は自分に似合わない”という思い込みも同じですね。
キリ 確かに。ここでいろいろな話を聞かせていただいて、つくづく髪に対する無知さを思い知らされます。山田さん、ありがとうございました!

【髪バナ 15】白髪染めとおしゃれ染め

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キリ お盆は日本に一時帰国してたんですけど、そのとき母の白髪染めを手伝ったんです。泡でプシュッと出したものを髪になじませるタイプでしたが、すごく簡単で使いやすかったです。市販の白髪染めも進化してるんだなってしみじみ思いました。
山田 確かに泡タイプはとても扱いやすいですよね。ただ、市販の白髪染めは、安くて手軽だという理由から使用する方が多いですが、髪にとってはあまり良くないので、髪を傷めたくない方にはお勧めしません…。美容院での施術に比べて放置時間が短い⇒“手軽”と思いがちですが、短いということは、短時間で色を入れなければならない分、強めの薬が使われているということなんです。
キリ 確かに。母はパーマもかけていますが、結構髪が傷んでます。
山田 また、これは白髪染めだけでなく普通のヘアカラー(ここでは“おしゃれ染め”と呼ぶことにしますね)にもいえることですが、髪の色は人それぞれ違うため、例えば黒髪からアッシュブラウンにしたい…という場合でも、赤みがかった黒髪の方と青みがかった黒髪の方では、配合するカラーも本来は違ってきます。市販のものは“万人の髪向け”なので、思い通りの髪色に染められない…ということがよくあります。実際に、「市販の白髪染めを使ったら青っぽい変な髪色になったので直して欲しい」という感じでウチに駆け込まれるお客さまもいらっしゃいますが、この場合は、市販の白髪染めの色が変だということでなく、お客さまの髪色と、その白髪染めに配合されていた色素が単純にマッチしなかったということになります。
なぎさ 昔、美容院を変えた時に、いつもと同じ色を注文したのにできあがりの色が全然違ったことがありました。美容師さんでも人によって配合が違うからなんですね。髪色って繊細なんだなぁと思いました。
山田 日本の大きい美容院には“カラーリスト”と呼ばれる、カラーのスペシャリストがいるくらいですからね。ちなみにURU SALONの布施は、日本ではずっとカラーリストをしていました。ヘアカラーに関することなら何でも聞いてください。
なぎさ そういえば、白髪って年を取るごとに徐々に増えていくものだと思うのですが、どの段階でおしゃれ染めから白髪染めに切り替えるんですか?
山田 一般的には、髪の毛の15%〜30%が白髪になった時点で白髪染めに切り替えるといわれています。ただし、例えば同じ15%でも、全体的にパラパラと混じっている方と、白髪が一カ所にかたまっている方では染め方も変わってきますし、希望するカラーもそれぞれですので、一人ひとりの髪の状態によって変わってきす。人によっては白髪染めとおしゃれ染めの薬剤を混ぜて使う場合もあります。
キリ …ん? そもそも、白髪染めとおしゃれ染めってどう違うんですか?
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山田 簡単に言うと、まず配合されているブリーチ剤の量が違います。黒髪の場合、最初にブリーチ剤で黒の色素を抜いてからカラーを入れます。白髪の場合は色を抜く必要がありません。カラーを入れるだけなので髪にやさしく、その点はヘナカラーと似ていますね。(ヘナについては先月号のバックナンバーをご覧ください)もう一点は、カラー剤の色が違います。白髪染めは全てブラウンがベースに入っているので色が濃いんですね。
山田 ただ、最近は「白髪染めでも明るいカラーにしたい」という方も増えていますので、おしゃれ染めと白髪染めの境があいまいになってきているともいえますね。