髪バナ

【髪バナ 04】髪に優しいカットとは

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なぎさ この前URU SALONのウェブサイトを見ていて、「髪をなるべく傷めないように、カットするときのハサミの角度もきちんと考えています…」的な一文があったのが気になりました。それって、髪型の仕上がり具合に影響してくるもんなんですか?
布施 ウチのサイト見ていただいたんですね。どうもありがとうございます。
さてハサミの角度の話ですが、髪の栄養分は髪の内部に閉じ込められているので、単純にハサミで切ったときの髪の毛の切断面が大きければ大きい程、栄養や水分が逃げやすくなってしまうことになります。ハサミを入れる角度がバラバラだと、髪を傷める原因になってしまうんですね。

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キリ なるほど。毛1本ずつに対してきちんと垂直にハサミを入れれば栄養が逃げにくくなるということですね。だったら、斜めにハサミを入れる美容師さんは上手じゃないってことになりますか?
布施 いえいえ、わたしたちはやっていないだけで、この切り方もちゃんとテクニックとして使う場合があります。毛先が細くなるので、直毛剛毛さんの髪にふんわりと柔らかい動きを出す場合などに使うこともあるんです。傷むのはわかっていて、それでもこのカット方法がいいというお客さまもいらっしゃるくらいです。傷むというだけで、悪いテクニックなのではありません。
なぎさ 髪に柔らかい動きを…となると、すきバサミを使ったカットもありますよね?
布施 そうですね。すきバサミは、髪全体に入れてボリューム調整をしたり、毛先に入れて髪型に動きを出したりと、とても便利です。ただ、髪型のどこにどういう動きを出したいかをきちんと考えてハサミを入れないと、スカスカの髪型になったり、髪が変な方向にはねたり、頭頂部の“アホ毛”が出たりします。また、時間が経って髪が伸びたときに変なところにボリュームがきてしまったり…ということにもなります。
なぎさ すきバサミって、簡単にサクサク入れてるようで、結構難しいんですね。
キリ そういえば、わたしが初めてURU SALONに通い始めた頃、スカスカのどうしようもない髪型でしたね… (笑)
布施 そういうお客さまが来られると、カットラインを整えて髪型調整をするのですが、それだけで印象がぐんと変わるので、驚かれる方も結構いらっしゃいます。1回で整う方もいれば、キリさんのように少しずつ伸ばしながら何回か来店していただいて調整していくようなお客さまもいらっしゃいますね。

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キリ ところで、前髪を自分で切ると、どの美容師さんにも絶対「前髪セルフカットですか?」ってバレるんですけど、これって先程の毛の断面云々に関係ありますか?
布施 あります(笑)。プロのハサミのようにスパッと切れるわけではないので、毛の断面がガタガタしていたり、ボリュームを調整するためのすきバサミが適当にざくざく入っていたり…。前髪のカットって実は繊細で、プロでも難しいんですよ。
なぎさ プロ用のハサミは、切れ味が全然違うんでしょうね。
布施 日本刀と同じ素材の刃がついていますよ。刀を持って仕事をしてるようなもんです。
キリ おぉ…サムライのようですなぁ。

【髪バナ 03】ショートは誰にでも似合う!

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キリ お盆は日本に帰っていたんですけど、本当に暑かった〜。この長い髪を何度バッサリ切りたいと思ったか…。
なぎさ 今ショートが流行っているのかしら。芸能人でも、髪を切って大きくイメチェンした人結構いるよね。
山田 そうですね。ロングの印象が強かった、蒼井優さんや新垣結衣さんがバッサリとショートにしたのは印象的でした。
なぎさ 個人的には、松嶋菜々子さんの大人ショートが好きです。上品で美しいわ〜。
キリ わたしは篠田麻里子ちゃんみたいなショートが好きなんですけど、自分にはどうせ似合わないんだろうな…って思っちゃう。昔、人生で初のショートに挑戦したことがあるんですけど、正直、似合ってませんでした。もう短くするのが怖いです…。
山田 はっきり言って、この世にショートカットの似合わない人なんていないんです! 先ほどキリさんが「似合ってなかった」と言っていたのは、厳密にいうと、髪型が似合っていなかったわけではなくて、髪型のバランスがキリさんに合っていなかったということになります。同じヘアスタイルでも、長さや顔へのかかり具合など、少しでも狂ってしまうと“その人には合ない”髪型になってしまいます。
なぎさ 髪を切るっていうのは、結構精密な作業だったんですね…。
山田 どれくらい精密かというと、きちんと腕のある美容師は1mm単位で髪のバランスを見ていますよ。髪型って、何ミリかの違いで途端にやぼったくなってしまったりするもんなんです。
なぎさ バランスってどこを見るんですか?
山田 顔の輪郭や目の位置、おでこや頭のかたち、髪質や毛量など全てです。どの髪型にもその人に似合うドンピシャのバランスが存在する…というのが、わたしの理論です。「似合わなそうだから…」と一人で思い込まないで、プロに相談してほしいですね。
キリ わたし、頭の形が悪いのがコンプレックスなんですけど。本当に大丈夫ですか?
山田 頭のかたちに関しては、カットのテクニックでどうともなりますので心配しないでください。パーマに頼らなくても、ある程度の髪の悩みはカットで解決できますからね。
なぎさ では、顔の輪郭はどうでしょう。なんとなく、面長さんやエラ張りさんにはショートは難しいイメージがあります。
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山田 先ほども言いましたが、どんな輪郭の方でもバランスさえ良ければ似合うショートは作れます。ただ、輪郭のコンプレックスを隠したい方に向けて提案すると、まず面長さんは、髪のボリュームが上にくると顔の長さが強調されてしまうので、目から頬骨の高さに髪のボリュームをもってくる髪型をお勧めします。前髪は長めにすると顔の長さが気にならなくなりますよ。

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エラ張りが気になる人には、ちょうどひし形のシルエットを作るように、サイドにボリュームをもってきてエラ周りをふんわりと隠すといいと思います。
ただ、隠すだけが解決方法ではないということも忘れないでください。例えば、IKKOさんを思い浮かべていただけると、彼女は典型的なエラ張り・四角顔さんですが、エラの部分は一切隠していません。しかし、全体的にひし形シルエットでバランスがよく、さらにトップを高く見せることで横広がりの輪郭をうまくぼかしています。
キリ やっぱりおしゃれな人ってバランスがいいんですね。私もショートにしようかな。

【髪バナ 02】雨季と髪の毛

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なぎさ 今回はURU SALONの布施さんにお越しいただきました〜。
布施 お手柔らかにお願いします(笑)
キリ ずっと相談したかったのが、雨季の髪のことなんです。私クセっ毛なので、ボワンと広がっていつも大変! どうにかなりませんか? できるだけ簡単な方法でお願いします。
布施 雨季の湿った空気は、クセ毛さんの大敵ですよね。きちんとドライヤーでブローした状態と濡れている状態の髪のギャップが大きい人ほど、この季節は悩んでおられるのではないでしょうか。
手っ取り早い解決方法のひとつは、ストレートパーマをかけることです。実際にこの時期になると、お客さまからの問い合せも増えますね。昔のストレートパーマや縮毛矯正といえば、ストレートに伸ばした部分と新たに生えてきたクセのある根元の部分にはっきりと境目ができてしまって、定期的にずっとかけ続けないといけませんでした。また薬剤も強力なので、髪を傷めるという悪循環でした。しかし、ウチの店でも使っているような新しいストレート用薬剤は、その“境目”が自然な感じにぼけるのと、トリートメントがふんだんに配合されているので髪に優しいんです。また、ひとつの薬剤で変なクセを伸ばしながらも自然なカールをつけることも可能なので、いかにも“伸ばしました!”というような不自然なストレートにはなりません。ですので、この時期だけ…と、かけてみるのもお勧めしますよ。気軽に美容師さんに相談してみてください。
なぎさ 薬剤も進化してるんだね〜。

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キリ ちなみにセット剤だけでなんとかすることはできますか?ヘアオイルとか使うと、しっとりしそうですよね。
布施 最近よく見る、さらさらした軽いタッチのヘアオイルの場合、効果は大体2-3時間くらいです。かといって、椿油などでは髪がテカテカになりますよね。この場合、ソフトタイプのヘアワックスがおすすめです。タオルドライした髪になじませて、そのままドライヤーで乾かすと、バターがフライパンの上で溶けていくように髪にしっかり馴染んでいきます。ワックスの場合、持ちもよいですしね。
なぎさ そういえば、湿気がクセ毛の敵なら、今っぽいくせ毛風パーマの人もアウトなんですか?
布施 もとの髪が、ストレートの人はセーフですが、根元からうねりのあるようなクセ毛さんはアウトですね…。
なぎさ 私の場合は、逆に猫っ毛なので、すぐペッタリとなってしまって…。外出前にブローを頑張ってもダメなんですよね。
布施 正直猫っ毛さんの解決策は難しいのですが、こちらもパーマという手段がありますよ。猫っ毛のお客さまで、トップに無理矢理でもボリュームを出したいとおっしゃられる方がいますが、雨季の場合、ふんわりとセットしても、その後ハードスプレーでガチガチに固めたりしない限りは一日中キープできません。そこで、上手にパーマを取り入れて、猫っ毛の特性を活かした髪型をつくることをお勧めしています。

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布施 髪も生き物ですので、ちょっとした環境の変化で日々表情を変えるもの。まずは自分の髪の状態を知り、受け入れて、うまくつき合っていくのがいいと思いますよ。
キリ それがよさそうですね〜

【髪バナ 01】トリートメントのウソホント

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なぎさ 山田さんはURU SALONにいらっしゃるんですが、やはり、髪ケアを第一に考えたサロンということで、トリートメントには力をいれているんですか?
山田 そうですね。でも、トリートメントの施術のみに関わらず、カット、カラーやパーマの時も髪にダメージを与えないような工夫をしていますよ。
キリ そもそも、私はトリートメントについてそんなに理解できてないんですが、トリートメントってざっくりいうと、痛んだ髪に栄養を与えることで、髪を強く、ツヤツヤにするという解釈で合ってますか?
山田 うーん…半分正解、半分間違いです!
なぎさ えっ?違うんですか?
山田 髪に栄養を入れるというところは合っていますが、トリートメントの性質上、強い髪とツルツルの髪を同時につくることはできません。トリートメントは大きく3つの種類に分かれていて、(1) 強く、コシのある髪をつくる (2) 潤いのあるツヤツヤの髪をつくる (3) サラサラで指どおりよく軽い髪をつくる——それぞれ1つの効果しか得られません。ので、強くツヤツヤに…はできないんです。万能ではないんですね。
キリ へー。髪のダメージならすべて解決してくれるもんだと思っていました。
山田 なので美容師は、お客様の髪の状態に合せて、足りないもの、または髪の質や髪型に一番合うものを調合するわけです。例えば、髪の量が少ない人に潤いツヤツヤになるものを施すと重くべったりとなってしまうので、サラサラになる薬剤を、パーマのウエーブが出にくい人には、強くてコシのある髪にする薬剤を使って、ウエーブが出やすい髪にする…という具合です。
なぎさ あ、そのせいかもしれないんですが、以前あるお店でトリートメントをした時、確かにコシは出たんですけど逆にツヤツヤ感が無くなって、「ここの店ではトリートメントはやめよう。」と思ったことがあります…
キリ トリートメント=ツヤのイメージはあるよね。
山田 (苦笑) それはお店が悪いわけではなくて、トリートメントの性質ですね。でも、コシを手に入れたいから潤いは諦めなければいけないわけではないんです。その場合、表面的な処置になりますが、流さないタイプのトリートメント剤を毎日家で使うことで潤いのある髪をつくることができます。
キリ サロンで販売してるホームケア用トリートメントっていいんですか?お店でトリートメントしないで、それだけ買って家で自分でやった方が安上がりなんじゃ…って思っちゃう。
山田 ホームケア用のものは、お店でやるトリートメントとは全く別物です。表面にしか栄養を入れられないので、お店でやったトリートメントの効果を長持ちさせる補助的な役割をするものだと考えて下さい。お店のトリートメントと組み合わせることで、髪の毛をいい状態にキープできますよ。
キリ お店でやるトリートメントってどれくらい効果がもつんですか?
山田 1ヵ月半〜2ヵ月くらいでしょうか。
なぎさ えー。いつも1ヵ月くらいで指どおりのサラサラ感とか無くなるんですけど。
山田 お店でのトリートメントは髪の中心の核の部分に栄養を入れるので、表面で目に見える、触れて感じられる状態の効果は失われても、髪の中にはしっかり栄養が残っているんですよ。

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山田 ちなみに、意外と知られてないんだなと感じるのが、ホームケアの場合のトリートメントの順番です。トリートメントはリンスよりも先、最後にリンスでコーティングというのが正しい順番ですよ。
キリ へー。知らなかった!