【髪バナ 08】テクニックのあれこれ
キリ URU SALONにはタイ人のお客さんもよく来られますか?タイ人のお客さんにはどんな髪型が人気なんだろ。
布施 様々な層の方が来られるので、一概に言えませんが…。昨日来られた方は日本人っぽい、ユルふわなパーマを注文されましたよ。彼女曰く、タイのサロンではストレートはとにかく真っ直ぐ、パーマはくっきりカールが基本なので、日本人っぽい“ゆるい自然な感じ”というのができないとか。
キリ タイ料理にも通じる気が…(笑)
布施 特に、今URU SALONでは、日本人美容師の得意な“自然さ”をさらに追求した、カールがはじまるポイントが全くわからないようにパーマをかける特殊なテクニックを使っています。本当にくせ毛のように自然にカールがはじまるので、そのタイ人のお客さまは感激されていました。
なぎさ 日本のファッション雑誌とか見てる人も多いっていうし、やっぱりそういう日本人風の髪型にしたい人が来るんですね。
布施 最近は、「髪の悩みは、日本式のテクニックで何とかしてくれる」 という口コミから来られるお客さまもいらっしゃいます。先週来られたお客さまは、頭のハチが張っているのが悩みで、どんな髪型にしても決まらないと相談に来られました。
キリ 頭のハチってどこの部分…?
布施 頭蓋骨のサイドの部分です。欧米人に比べ、私たち東洋人の頭蓋骨は平面的でハチが張って四角いことが特徴です。
このお客さまは、トップにボリュームのあるヘアスタイルがお好きなのですが、ハチのせいで変なボリュームが出てしまい、何とかしたいとのことでした。そこで私たちが提案したのが、部分的にストレートパーマをかけて髪のボリュームを調整することでハチの張った骨格をカバーするという方法でした。
なぎさ なるほど。ストレートパーマにはこんな使い方もあるのね。ストレートパーマって聞くと、うねった髪を真っ直ぐにするイメージしかないから、なんか新鮮。
布施 うねった髪を真っ直ぐにするだけというのは、縮毛矯正の役割です。パーマとストレートパーマを、全体にかけたり部分的に取り入れたり、強くかけたり弱くかけたりと色々駆使すると、骨格や髪質のコンプレックスをカバーしつつ、理想のヘアスタイルを作ることができますよ。
キリ そういうの知らないで、「私は頭のかたちがこうだから、この髪型は無理」とか、勝手に諦めちゃってる人には朗報だね。
布施 日本人美容師の技術は、世界トップレベルだと言われています。それは、日本人が洋服を着るようになってから、洋服に合う西洋風の髪型にしよう、欧米人に少しでも近づこうと、頭のかたちの違いや首の長さの違いなどをカット技術でカバーしようと努力してきたからだと言われています。
キリ へぇー。なるほどね。確かに欧米人って頭のかたちいいし、いい感じにクセ毛だったりするから、適当な髪型にしててもお洒落で格好いいですもんね。ずるい。
布施 そうなんですよ。例えばその“適当にいい感じのくせ毛”を、私たちはパーマやカットを駆使して再現しているわけです。メイクも同じで、日本人女性は世界一メイクが上手いと言われていますよね。
なぎさ 日本人って、やっぱりこういう細かい職人系の仕事が得意だよね。突き詰めさせたら誰にも負けないわ。